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【勝手に番外編】冰剣の魔術師の世界に骨を操る召喚術師を違和感なく登場させるために

知らない人はこんにちわ。
どうも自称多分相当レアなレベルで骨(所謂スケルトンモンスター)が好きな酔麿呂です。

「スケルトン」っていうと、透明なボディとか想像する人のが多いとここ数年で分かったぐらいにこの話をいろいろな所でしてきました。
そしてほぼ100%と言えるぐらい多くの場合で引かれます。

レアな珍回答としては「えー私も好き!人体模型とか家にほしいもん!」というものだったと記しておきます。
※ちなみに言うまでもなく私はドン引きしました。

冰剣の魔術師とは

最近私のハマってるなろう小説の一つです。書籍化作業も進んでいるようなので、そのうち発売されるでしょう。
端的に言えば世界トップレベルの魔術師がその能力を封印して学園に通い、巻き込まれていくというものです。

この作品の特徴とも言えるのが、その魔法理論です。
作品を読み始めたらすぐに出てきますが、第一質料~からなる詠唱(作中ではコードと呼ばれます)のようなもの。
一般的に声に出してするその詠唱とは違い、脳内でコードをなぞり発現させるというちょっと特殊な魔術理論の世界ですが、何が私をここまで惹きつけるかといえばもはやこれ。
作品のストーリーとか正直二の次でこの魔術理論が理系(正しくは情報系と個人的には呼んでますが)にドストライクなんですよね。
どこか詩的な詠唱はどこまで言っても文系的というか、たまにその詠唱の言葉そのものに好みな言い回しとかもあって惹かれる事はなくはないのですが、どこまでいってもこの理屈の塊みたいな詠唱は夢がある。
そして、理論があるからこそ、組み合わせで化けるという楽しさ。

1覚えることで1以上のなにかを導ける理系特有の楽しさは多くの人に理解されつつも、多くの人に理解されないと思います。が、そこが楽しいんす!って事で納得ください。そういう物です。

冰剣のコードをおさらい

第3話 魔術の真髄でも簡単にコード理論として登場する。ここでも文系だけど理系を好む作者の強みとも言える面が大いに発揮されている。
ここでは100話以上読み進めてみて分かった事を作中の解説をふまえ、さらに細かく解説していく。
多分だが隠す事、作中の講義が低レベルの内容である事、文系だからこそ理論という物を語りすぎる事へのデメリット等を考えた結果あのような薄い解説なのだと思うので、それを理解しつつ非公式だが勝手に補完してみる。

コード理論:Encoding(コード化)

第一質料ことプリママテリアを変換するための過程。どの様に変換させるかを決める最も重要と言っても過言ではない。
補足だが、このコード化はのちのち優劣の基準としてハイレベル魔術師の戦いでは重要視されるようになると思う。
※この仮説についてはのちのち詳しく説明したい

コード理論:Decoding(コード復元)

一度コード化したものを元に戻す。この過程にどんな意味があるのかと思われるかもしれない。割と個人的にもそう思う。
しかし、Googleの再翻訳が面白い事になる様に、一度コード化したものが100%元に戻る事はないのだろう。作中でも次のように言われている。

「エンコードでコード化した情報をディコード一度元に戻し、その真っ白なコードを処理の過程に移行させる。」

よいまろ
コード化した情報をもとに戻し、真っ白なコード????

ぶっちゃけこの段階でDB屋といえど10歳から人生の2/3以上もの年月をプログラミングに費やしてきたおじさんには理解ができなかったよ。
第一疑問:コード化したものを元に戻したのにコード??
第二疑問:真っ白・・・?
まぁそこはおいておいて、そういうものだと納得するしかあるまい。
真っ白というのはきっとあれだよ、デコンパイルされた後のコードが変数名とか保持されないからデータ型に合わせた形に勝手に書き換わってるぐらいの意味だよねきっと。
(C系のプログラミングした事ない人はすまんな、うまく表現できねーわ)

とはいえ、個人の技量で書いたコードをコンパイルした後デコンパイルすることによって無駄なコメントとか不適切な変数名とかが全部サラになってキレイに書き直される。
汚いコード→コンパイル→0と1→デコンパイル→キレイなコード(真っ白)
ってことだろう。うんうん。きっとそう。エンコードとデコードを挟む事によって人の理解できるコードでありながら、ある程度の無駄を省くことが出来る。そういった考え方なんだよきっと!だから最初から超キレイなコードが書ける(エンコード出来る)魔術師は詠唱が他の人より早かったり第一質料の変換率が高くて燃費もいいとか。
こういっちゃなんだけどプログラミング的なクオリティの差が魔術師としての力量差につながって、ハイレベルの戦いだと「コード化」が重要になるという先ほどの仮説につながる。

コード理論:Processing(処理)

主人公レイ=ホワイトは冰剣の本質として「減速」や「固定」をよく使う。また、炎系統の術者は「加速」と相性が良いなどといった形でいくつかのコードが作中に登場している。
所謂第一質料にたいしてどういった変化を与えるか、の部分。コード理論の中である意味最重要であって最重要ではない部分。先程から何度も述べている通り、第一質料に変化を加える工程なため、必須であり最重要と見えがちだ。ただ、より高みを目指す事を前提に考えれば、このプロセッシングの過程はさほど重要ではない。

ゴルフの話をしよう。ゴルフでは1打目に多く使われるドライバーという飛距離を出すためのクラブがある。初心者はこれを練習しがちだが、ぶっちゃけた話そんなのは日本のド素人しか練習しない。なぜかと言えば非効率であり、極端な言い方をすれば無駄だからだ。全18ホールを70打程度でまわるプロで考えたとしてもドライバーを使うのは18ホール中13~15程度だろう。15/70およそ2割である。100打程度で回る素人で考えたらおよそ10~15%程度。どんなに頑張って練習してもスコアはそもそも縮まらないのである。

筋トレの話をしよう。体の中で最も大きい筋肉は太ももにある筋肉だ。腹筋をどんなにがんばって鍛えた所で全体の筋肉量で言えば微々たる量しか増えない。そして代謝も上がらないのでダイエット効果も殆どない。ダイエットのために腹筋してるなどという女性の発現がいかに馬鹿らしいか、そして痩せないという経験則を生み出しているかを見ればその無駄さがわかるだろう。

閑話休題。本題にもどる。
さて、そこでプロセッシングの工程だ。これは魔術を扱う上で100%使用する。しかし、そこに差はあるのだろうか?
プログラミングで言えば、所謂関数だ、しかもユーザ定義ではなくシステム関数とも言える物。与えた物によって結果が決まっている。内部の処理はブラックボックスで個体差がない。そんな場合プロセッシングの過程を繰り返す魔術トレーニングをしていたとして、それは意味があるのだろうか。
もちろんゼロではないと思う。何度も繰り返すことでプロセッシング以外の工程をもちろん通るために熟練度も上がるだろう。無意識化で高速化もできているかもしれない。だが、本質がエンコーディングにあったとすれば、非効率なトレーニングと言える。

やはり必須な工程といえど、最重要ではないと思う。
作中でも最も重要なのは第一質料だって噛ませ犬先生もいってますからね笑

追記:
例えばシステム関数と同じ動作をするユーザ関数を自作した場合について考える。これは作中で言う氷魔法を減速を意識して使うかどうかの差だろう。氷魔法という事前定義のシステム関数にはあらゆる氷魔法に適応するための処理が含まれているが、発現する氷魔法それぞれに適した処理が行われているかどうかは別である。例えば巨大な氷の槍を作り出し投擲するアイスランスなる魔法があったとする。その槍を構成するための氷を水から作る際に必要な温度は消して0度付近の冷たさではない。もちろん永続的にその温度が持続するのであれば、それでも可能だろうけども多くの水を素早く氷として顕現させるにはそれだけの冷却能力が必要だ。
次に広域に氷の雨、雹を降らせるクールダウンな魔法を考えてみる。雹の大きさは大小様々だが、少なくともアイスランスと比べて遥かに小さい。それであればその氷を形成するための冷気は格段と少なくて済むことが想像できる。
それであれば、氷魔法というシステム関数が冷却の機能を持っていた場合、両方に対応出来るようにしなければならない。そして、より能力が必要なアイスランスを構成可能なレベルに調整されるだろう。ということは雹を降らせるには無駄な処理だと言える。
そこで登場するのが自作関数であり、必要な処理を組み込むというレイの冰剣、減速を組み込むコードにつながる。

あれ・・・とっても納得がいってしまうぞこれ・・・!

コード理論:Embodiment(具現化)

物質は 個体 液体 気体 プラズマ に分類される。とは作中の噛ませ犬先生の言葉だ。ソレ以外だと現象になる。
第一質料を変化させる先、それによって発現する魔法が変わる。魔法といえば攻撃的であったり補助的であったりするイメージが強いが、氷の薔薇を作ってみせた噛ませ犬先生の様に物質を生成するという意味では、多くの作品とは違った物だと改めて感じる。

形をなす魔術という物を使ってなにかをする

それが冰剣の魔術師の世界にある魔術理論だという事。ほんとたのしいよね、何でも出来るやん。この世界にいたら100%研究職か千の魔法を持つ男になってる気がする。延々といろんな魔法研究してる感じで。

本題:召喚魔法サモンスケルトンを開発しよう

さて、クソ長い3000文字程度の前置きをしたが、この魔術理論をもちいて召喚魔法「サモンスケルトン」を開発したい(する)。
知ってる人は知っている(知らない)が私は骨が好きなんですよ(数千文字ぶり、X回目)
好きすぎてこんな意味不明な自己満足骨考察記事をつらつら書いてみたりするぐらいに


(かきあげてそのまま勢いで投稿してるから中身はぐだぐだのぐだ)

というわけでして。
開発したサモンスケルトンを引っさげ、番外編にて古城に住み着き、近隣の村を夜な夜なスケルトンに襲わせる悪の召喚魔術士として討伐されたい。
できれば酒に溺れてつねに酔っ払ってるし酔っ払ってないと魔法が使えないとかいう謎設定があってもいい。むしろあってほしい。

とそんな欲望ダダ漏れだけど、クソ真面目にサモンスケルトンを考えていきましょう。

メインの処理は加速と固定と逆回転

まずスケルトンというのは骨である。しかし生物を魔術にて生み出すのは禁忌にもあたりそうなので、生物をの生命を加速し、骨とするという発想はやめる。(悪の魔術師としては大いにアリな設定ではあると思うが)
そこで考えたのが風化し、大地へと還っていった者たち。それを蘇らせるイメージで行う。それが逆回転である。
第一質料が消費しても無くならないというのは何かしらから還元されているからだ。となればそれがなにかと考えると、あらゆるものの生命活動だろう。植物しかり人間しかり。最後は大地に還り、第一質料としてまた戻ってくる。であれば第一質料を逆回転させる事で時間の流れを反転、それを加速させる事で骨を形作る。そして出来上がった骨を固定することであのスケルトンが形作られる。

まずはこれでスケルトンという素体が完成する。しかしこの状況ではただの置物。
噛ませ犬先生が講義の中で氷の薔薇を作ったように、骨の人間をつくったのと同じである。

多重固定

処理を二重化する事によるより高強度な魔法へ。
勝手に魔術理論のさらなる先を考えたとき、例えば減速と減速。0.8が0.64になるような多重化による効果の増加だ。しかしそれは高度な技術が必要になるであろう事が容易に想像できる。そしてそれはまず成功しないと歴史が物語る。しかし、それにも抜け道があり、定型化してしまうのが悪の魔術師である。それは同じ処理でも概念を変える事で同一の処理を多重化する。
骨を形作るための物質の固定と、生物の本能を骨に宿すための固定。一時的に憑依させるだけではいずれ骨の人形に戻ってしまう。それであれば、そのまま骨に固定し、維持できるようにする。

より高度なサモンスケルトン

プログラミングでは処理の順番によって大きく結果や効率を変える事がある。これは、プログラムというものが常に一箇所で処理されるわけじゃないからだ。
クライアント(自身)とサーバ(相方)の二人で処理をする場合、処理速度の差や、受け渡しに要する時間など処理とは違う部分で無駄が発生する。ならば両者の間のやり取りを少なくしたり、相手が他のことやっている間に自分は別の事をするなどいろいろな無駄の省略が実践されている。
というわけで、骨の形状固定と魂(ここではスケルトンが自由に動き回るためのなにかを魂とする)の固定を同時に行う事で、固定のプロセスを短縮し、効率化を図る。
骨の形成後、即座に魂の憑依を行いそのまま固定による完成。これにより多重化が必要とあった固定のプロセスは1つでよくなる。しかしあまり日の目を見ないエンコーディング技術の熟練が必要となる。だからこそ多重化は難しいとされ高度な魔法技術だという説明にもつながる。

これ、完璧じゃない??悪の召喚術師よいまろじゃない???スケルトンの大群率いて戦うのよくない???

まとめ

散々エンコーディングの工程がーって言ってみたものの、作者としてはプロセッシングの工程に重きをおいているのは1章のラストで語られている。
冰剣の魔術師としての戦いの中でレイ=ホワイトの扱う魔術の解説の中で減速を組み込める氷魔術の使い手は少ないという描写。現象を感覚で知覚し、理解していないからと言外に言っている。

無意識的に処理してしまっている。

この文章が文系作者と情報系ワイの決定的な違いだなと思わざるを得ない。処理してしまう以上それは必然であり偶然ではなく、コードは思ったとおりに動かず、書いた通りに動くというプログラミング界の格言の通り、処理は無意識化では起こり得ないからだ。
だからこそエンコーディングが重要だという私の仮説は最初から否定されているのである。

もっともコードの効率化なんて現実でも大して重要ではない。今の時代ハードスペックが上がりすぎてソフトを効率化するよりスペック上げたほうがコスパいいからね。
この辺を重要視してしまうのは、私がプログラマではなく、DB屋だからだろう。ちょっと非効率を重視してSQLを書いたものなら普通に書いたときの100倍1000倍は実行に時間の掛かる物が書ける。
そしてそれは誇張ではなく、素人がSQLを書いたときに大いに起こりうる物だからであって、専門家と素人の差でもある。
ITエンジニアは一人が100人分働くというのは当たり前にありえる業界だからこそ、効率化を重要視してしまうのだろう。
そして作者はその個人差とも言える部分をプロセッシングの工程に含めて描いているのだと思う。

というわけで、茶番考察でした。
6000字強かけて言いたかった事。それは、
御子柴奈々氏、番外編で悪の召喚術師よいまろを討伐してくださっていいんですよ??むしろお願いします。

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酔麿呂

酔麿呂

極普通のお酒とゲームが好きでオシャレな雑貨に弱い元SE。趣味はAmazonでウィンドウショッピングすること。 SEと言いつつもDBAとして米国での就労経験があったり、人事・総務・財経とあらゆる部門の経験を持つ異色のフルスタック系エンジニアです。

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