着物を着ることに興味があっても、
「必要なものがわからない」「ルールがわからない」
と思い中々手が出ませんよね。
上を見るとキリがありませんが、まずはお手軽なものをスタンダードに揃えるところから始めてみるのがおすすめです。
ということで、今回は初心者向けに最低限必要なものと状況に応じて必要なものにわけてリストアップしました。
最低限必要なもの
着物
まずはこれがないと始まりませんね。
一番は呉服屋さんで自分のサイズに仕立ててもらうことをおすすめしますが、中々値が張ります。
ということで、最初に選ぶときのおすすめはネットショップです。
レビューなどを参考にしながらお気に入りを探してみましょう。
ネットショップによくありがちなのが、実際に届いたら縫い合わせが雑だったり色合いが思ってたものと違っていたり等です。
着物も例にもれず発生するので、ある程度レビューなどでリサーチをしてから買うほうが安心です。
一部のチェーンの呉服屋さんでも安価なポリエステル素材の着物を扱っていたりしますので、そちらで購入されるのもよいです。
季節による種類について
夏物のワンピースを冬に着ないのと同じで、着物にも季節性があります。
つまり、届いたら着ようと思っていても着れない場合があります。
ほしいと思った着物が自分の着たい季節にあっているか確認しましょう。
より詳細な季節による種類についてはこちら 着物には和の尊い魅力があり、それに魅了され着物の世界に入る方がたくさんいます。いざ着物を趣味にするといっても敷居が高いかと思います。そこで着物初心者のために着物と季節に関する情報をまとめました。
【着物】季節ごとに違う着物の種類と、間違えないための知識を紹介!
生地について
生地については洗いやすい木綿や麻、ポリエステルあたりから入るとよいです。
ポリエステルはさらさらしているので着やすいですが、夏物として選ぶと暑苦しく、冬物として選ぶと寒いので要注意です。
夏物として選びたいときはシルック等の少しお高めのポリエステルにしたほうが過ごしやすいです。
木綿や麻は過ごしやすいですが、着るときに滑りが悪いので着付けにくいです。
より詳細な生地の種類についてはこちら 【着物は着方や柄より先に素材を】着物といっても素材によって大きくその性質や価格が異なります。そしてお手入れの方法も・・・。しっかり学んでいい着物を長く着ましょう!
【着物】着物の生地による違いとお手入れの方法
柄や仕立て方による種類について
初めての着物ということであれば、普段着として着る紬や小紋あたりがおすすめです。
普段着にもしたいけれど改まった場でも着れるようにということであれば紋無しの色無地が使い勝手が良いです。
より詳細な柄や仕立て方による種類についてはこちら 単に着物と言っても種類や色、紋の有無によって適する場面が異なります。間違った場面で着てしまうと浮くどころか失礼となってしまうことも・・。正しい着分けの知識をつけて正しく着物を着用しましょう。
【着物】色だけじゃない!間違えると場違いな着物も!?着物の種類と着て行く先まとめました。
帯
初心者であれば浴衣でおなじみの半幅帯がおすすめです。
後ろから見たときに四角に見えるいわゆるお太鼓はできませんが、圧倒的に簡単に着付けができます。
浴衣を自分で着れる方ならそのまま一緒ですのでとても楽チン。
木綿やポリエステルがありますが、木綿以外をセレクトしておきましょう。正絹であればなおよしです。
木綿は前述したように滑りが悪いです。
帯はぎゅっとしめる必要があるので、木綿だときちんと締めきれずに着終わったあとに緩んでいたり着崩れを起こしたりします。
お太鼓結びをしたい!ということであれば名古屋帯がおすすめです。
袋帯や丸帯だと二重お太鼓になるので難易度が少し上がります。
また、ポイントの柄だとその面を意識してお太鼓に持ってくる必要があるのでさらに難易度が上がります。
和装ブラ(わそうぶら)
一般的なブラジャーを着用しない理由としてワイヤーが刺さって痛くなってしまうというのはよく言われます。
だったらワイヤーなしであればよいのではと思われるかもしれませんが、着物は胸を盛るのではなく平らにして着るものなのでそもそも普段使っているブラジャーと求めるものが違うのです。
着付けやすさを考えたら和装ブラを購入するのが一番ですが、そこまで…という方は部屋着用でよく売られているカップ付のキャミソールでも十分です。
タンクトップにしてしまうと着付けたときに首の後ろから覗いてしまう可能性があるのでキャミソールを選ぶようにしましょう。
肌襦袢(はだじゅばん)と裾除け(すそよけ)
和装ブラの上に着る、いわゆるキャミソール的な存在です。
洋服だと着ても着なくてもいいものですが、着物では必須になります。
後述の長襦袢の種類によっては不要になることもありますが、ほとんどの場合は必要になるので用意しておきましょう。
肌襦袢が上半身に着るもので、裾除けが下半身に着るものというように二部式になっています。
面倒に感じる場合はワンピース型になっている着物スリップと呼ばれるものを購入すればOKです。
長襦袢(ながじゅばん)
肌襦袢と着物の間に着るものです。
こちらも下着的な扱いになります。
着物と同じで袷と単衣とがありますが、長襦袢はさらにうそつき襦袢や大うそつき襦袢と呼ばれるものがあります。
暑いときに何枚も着るのは大変だからと肌襦袢と裾除けを合体させたものになります。
初めて買う場合は、袷か単衣で問題ありません。
衿芯(えりしん)
長襦袢の衿にいれる板。
プラスチックやメッシュ素材のものがありますが、どちらでも大丈夫です。
腰紐(こしひも)
長襦袢と着物を着る際に固定する紐。
それぞれ1本ずつ、2本は必要になります。
半幅帯以外を締めたい場合は着付けの際にさらに1本必要になります。
伊達締め(だてじめ)
長襦袢と着物を着たあとに、着崩れしないように固定する紐。
それぞれ1本ずつ、2本は必要になります。
着物を着た後は伊達締めではなく、マジックベルト等の商品名で売られているマジックテープタイプのものも便利です。
帯板(おびいた)
帯に皺が寄らないように入れる板。
足袋(たび)
いわゆる靴下。
生地が柔らかいものとカッチリしたものがあるのでお好みでお選びください。
番外編
あったほうがいいもの
タオル
着物は体の凹凸を考慮して作られていないので、タオルで胴体部分を補正して着やすく、着崩れにくくします。
髪飾り
着物に合わせるからといって簪(かんざし)でなくとも、ヘアピンや髪留めでも大丈夫です。
必ずしもつける必要はありませんが、あるほうが映えます。
着付けには関係ないけど必要なもの
草履
靴やサンダルでお出かけもいいですが、スタンダードな着こなしとして草履を1足は準備しておきたいところです。
状況に応じて必要なもの
半衿(はんえり)
長襦袢につける衿。
着物を着ている人を見ると着物の下にさらに衿が見えますが、それが半衿です。
着物を着る際に必須なものになりますが、基本的に長襦袢に元々白いタイプのものがついているので、必要なものの項目では特に触れていません。
白いものをつけている人が多いですが、実はこれ、なんでもいいんです。
改まった場では無地か刺繍になりますが、普段着では好きにコーディネートを楽しめます。
半衿として売られているものを購入するのはもちろん、好きな端切れで作ったりと自由に遊ぶことができます。
重ね衿(かさねえり)
着物の下に入れ込む衿。
伊達衿とも呼ばれていて、その名の通り、長方形の布を着物の衿口に沿わせて固定してあるだけです。
式など改まった場にのみつけるので見かけることは少ないです。
普段着として着るだけであれば特に必要ありません。
半幅帯以外を締める場合に必要なもの
帯枕(おびまくら)
帯の後ろ側の山を綺麗に見せるためのもの。
帯揚げ(おびあげ)
帯枕を隠すための布。
1つの帯揚げに数色使われていますが、見せるのはほんの少しなので、見せる場所によって雰囲気がぐっと変わります。
帯締め(おびじめ)
帯を固定するための紐。
袋帯や名古屋帯には必須ですが、半幅帯におしゃれとして合わせるのもアリです。
帯留め(おびどめ)
帯締めにつける飾り。
元々帯締めに飾りがついているタイプでは使えませんが、何もついていないものは帯締めの結び目をずらして表に帯留めを持ってきます。
種類が幅広いので自分らしさを存分に表現できます。
帯留めで気に入ったものがない場合はブローチなどを加工して帯留めにすることもできます。
まとめ
揃える小物が多すぎる!と思われるかもしれませんが、あまりこだわる必要がないような小物はネットショップや呉服屋さんでセットでお安く売っているので、1セット買ってしまえば揃えるものはぐっと少なくなります。
※セット内容が結構バラバラなのでチェックは必須です。
また、スタンダードに着てしまえばルールについて細かく言われることはありませんし、今回紹介した内容であれば何十万もかかるような予算も必要ありません。
「普段からもっと着たい」「自分なりの着こなしがしたい」となったときにステップアップしていけば十分です。
まずは練習というつもりで、1着購入してみてはいかがでしょうか。